【知って損なし】エコキュート交換時のトラブル & 交換して良かった点まとめ(その2)

エコキュート

壊れ掛けのエコキュート。複数業者で相見積もりして、国・地域・電力会社などで実施されている補助金制度・キャンペーンを調査・申請し、安くなった電気料金と自動お湯張りの便利アプリの使い方、交換後に見つかった施工トラブルの解決まで。

少しでも安く・便利で・安心してエコキュートを導入できるように参考にして頂ければと思います。

前回の続きです。今回の件はかなり重要な内容だと思います。

トラブル発生

新しいエコキュートはほぼ満足しているのですが、気になることがありました。
交換後からシャワーと洗面所とキッチンの3箇所の水圧が1割程度落ちているのです。交換前の湯張り時間を厳密に測定していなかったので、そこの比較はできないのですが、その他の場所でお湯が出る勢いが明らかに落ちています。数値的な証拠はないのですが、そういった感覚には少し敏感な部分があって、数値化できる感覚があります。家族に聞いたのですが、みんな鈍感なので何も感じてないみたいです。

何か方法がないか考えたのですが、実家のエコキュートと排出量を比較してみることにしました。同じ機種ではないのですが、水圧に関しては同じ仕様なので簡易的に比較はできるかと思います。(※配管の長さ等の条件で変わる可能性はあります。)
各蛇口で一気にMAX解放して、500mlのペットボトルがお湯で満タンになる時間を繰り返し測定した値を平均した結果、やはり実家より遅かったです。

工務店に確認したところ、「水圧は計測していない。1分間に12Lが目安」とのこと。水圧測定ではないのですが、水量を測定する考え方は合っていたので、誤差を減らすために1.5Lペットボトルに変更して再測定し1分辺りの水量に換算してみると11.25Lで、私が感触を数値化したものと一致しており、やはり約1割少ないことが分かりました。

衝撃的な施工(その1)

どこかのバルブが全開になっていないのかも知れないと思いエコキュートを見に行ったのですが、普段は見ないのですがたまたまエコキュートの下を覗き込んだら、高さ調整のスペーサーが脇に挟んでありました。このスペーサーは中央に穴が空いており、アンカーボルトの中に通すのが普通だと思うのですが、脇に挟んであるだけ

普段はエコキュートの重みで押さえられているので問題はないですが、地震で縦揺れと横揺れが来たら簡単にスペーサーがズレてしまい、エコキュートが倒れ易い状態になります。
 (挟まってるだけ。。。)

想定外の設置状況に驚いてすぐに工務店に連絡したのですが、「施工説明書にスペーサーの指定や入れ方に明確が記載がないので普段からこの施工をしている。意図的に揺らしたり自然災害でない条件で倒れたら無償で交換します。」との回答が。自然に倒れる事なんて200%ありえないのでそこについては誰も心配してないですが、10年保証では地震などの保証がないのに、地震が来た時に耐えられるはずの安全機能がこれでは耐えられない可能性があります

改めて見るとスペーサが4枚も入ってるのは多いですね。タンクと基礎の水平をそれぞれ確認していないので分かりませんが、おそらく基礎側で水が貯まらないように手前側にテーパ(傾き)が設けてあるのではないかと思ったのですが、後で施工業者に聞いてみると結構あるあるみたいで、エコキュートの重みで土台が沈んでしまうようです。(うっそ〜ん)

施工説明書を端から端まで読み返したのですが、確かに明確な設置方法の指示はありませんでした。ただ、どう考えても脇に挟んでいるだけの施工方法は不安で仕方ないので、すぐにメーカに詳しい施工説明書がないか問い合わせしたところ、専用のスペーサがありL字に切り込みにより簡単に抜けにくい形状が推奨されているとのこと。(今使われている物はスペーサではなく、ナットとセットで使うワッシャーの役割をする物でした。)実際は下記のアンカーボルトセットではないのですが、②角座金の形状はほぼ同じで材質はSUSです。
Panasonic:アンカーボルトセット


メーカ推奨の専用スペーサは少し特殊な材料で専用品なので¥6,083/10枚と少し高価なので使われていないのか。下記の図を見て貰うとわかると思いますが、L字の切り欠きがあるので横にズレただけでは簡単には抜けないです。

Panasonic:脚部不陸調整スペーサー

衝撃的な施工(その2)

施工説明書を読んでいて気になったので、再度エコキュートを確認しに行ったところ、更に驚いたことにアンカーボルトの径がM8.5mmでした。施工説明書にはM12(ネジ部分の径の寸法が12mm)と記載があるのにです。規格でM8.5mmというのは考えにくいのでM8mmだとは思うのですが、どう考えても細すぎます。
(メジャーを手前でみると小さく見える?)
Panasonic:施工説明書

いても立ってもいられなくなり再度施工業者に連絡して聞いたところ、「M8mmではなくM10mmを使用。M12mmはコンクリートが割れる可能性があったのでM10mmに変更した」との回答。その事については事前に何の説明もありませんでした。後でノギスを使って測定するとM9.5mmでした。メジャーだと遠近法?で小さく見えていたのかも。でも規定の12mmではないことは判明しました。

ネットを検索してみると、東日本大震災でエコキュート等の給湯器が倒れる被害が多数発生しており、以降(2013/4/1施行)設置条件が厳しくなったようで、設置条件によって異なるのですが、アスペクト比4以下(1810/600=3.01)で、1階設置の300〜600kg場合、M12×50以上が条件となっています。(詳しくはこちらのリンク先をご覧ください。こちらは日本ガス石油機器工業会の資料ですが、国土交通省告示なのでエコキュートでも考え方は同じで15kgを超える全ての給湯器が対象です。
この基準に従って、メーカの施工説明書にもM12mmとなっていたわけですね。 

これも施工時に・・・?

更に前からそうだったのか記憶も証拠もないので何とも言えないのですが、排水部のパイプの一部が欠けていました。

そんなところは誰も触らないし、負荷が加わる部分でもないので、通常破れるわけもないはず。設置時にその場にいたわけではないのですが、あれだけ重い設備なので撤去時もしくは設置時に当てて割ってしまったのかも知れないですが、こちらとしても証拠がありません。排水部でこの程度割れても支障はないのですが。もし割ってしまったのなら正直に言って欲しいですね。

再施工

シャワー圧力は我慢できなくはないのですが、流石に安全上のことに関しては譲れないので交渉した結果、設置し直しして貰えることになりました。今回は設置作業に立ち会って気になる点があればその場で確認して、問題があればその場で解決しようと思いました。

まずはタンクに溜まった水を排水して(370Lの水が無駄になりますが、あちらの責任ではありますが設置し直し要望を飲んで貰ったので、水道料金はこちらで飲みます。)、エコキュートの移動です。

水を抜いたとは言え、あんな大きな縦長の重い機器をどうやって移動するのか前から気になってたのですが、専用の帯のようなものをタンクの下に通して腕に引っ掛けて持ち上げてました。なるほど。普段見れない物が見れました。

今あるM10mmのボルトは抜いて、距離を開けて移動して別のM12mmボルト用穴を開けるという予定だったのですが、タンクの足に予備の固定用穴があったようで、今の位置のままで新しい穴を追加できそうとのこと。
それであれば今のM10mmのボルトも活かせるはずなので、M12mmのボルトとダブルで設置して貰うよう依頼しました。寒い中でしたが、立会いして良かったです。通常4本なので倍の8本あれば十分な補強です。

事前にネットで設置時の注意点(設置業者が見る資料)を確認していて、ドリルで穴を開けた後に穴の中にあるコンクリート粉を掃除機で吸ってくれるかどうか立会いでチェックしようと思っていましたが、血圧測定時に使うようなゴム性のシュポシュポ?する手動の物を使って穴の中にある粉を排出してました。できれば掃除機が良かったですね。

メーカ純正のL字型のスペーサは取り扱っていないので、ボルトにスペーサ穴を通して貰えることにもなりました。これも立会いしてて知った事なのですが、以前のエコキュートのボルトはオ(雄)ネジその物がコンクリートに埋められていたので根本からカットしたのですが、今回のボルトはコンクリート穴に先にメ(雌)ネジを入れておいて、後でオ(雄)ネジを入れて締めるというタイプでした。

このボルトは同じ径のオネジのみを使った場合よりも強度が高いそうです。更に高い強度のものでケミカルアンカー(ケミカルなので接着剤を使った物)というものがあるそうみたいです。工務店が使っていたのはメネジ・オネジ型だったので、10mmのボルトもカットすることなく、一旦抜く事ができたという点でもメリットがありました。
(ダブルのアンカー。今回は穴に通してます。)
(奥:追加のM12ボルト、手前:M10ボルト)
(左:メネジ、右・オネジ)

注意すべき点

今回、自分でネットで探して初めて利用した地元の工務店でしたが、このようなトラブルになるとは思いもしませんでした。

通常お湯が出れば問題ないので、こんなところまで見る人はまずいないと思います。私も水圧が気になって見に行った時にたまたま気がついて芋づる式に色々な問題が見つかったので、水圧の問題がなかったら絶対に見逃していたと思います。今後設置される場合、私のようなことにならないように事前チェックと設置後の確認をオススメします。

但し、今回の件は私が独自に調べて、施工業者と擦り合わせして両者で整合した結果であり、全ての業者で同じ事ができるという保証は一切ありません。スペーサをはさむ方法を正規の設置としていて、ボルトを通す要求を飲んで貰えない可能性があります。だからと言って違法設置とは言い切れないので、購入する前に十分打ち合わせしておいて下さい。

参考に注意すべき点をまとめました。

・水圧測定もしくは水量測定
故障していたら確認することができないですが、正常動作していれば交換前に1分間の流量を測定しておくと良いです。1.5Lのペットボトルの満タンになる時間を測定して1分辺りの水量に換算してもいいと思います。

あくまでも今の設備との比較なので、同じ方法で差があるかどうか確認できればいいです。
湯船に入れるお湯の量は120Lとか指定できるので、12L/分だとしたら10分掛かるので分かり易いと思います。参考ですが、PanasonicのHPにこのような記載がありました。
PanasonicのHP
我が家のお湯張り時間を測定してみましたが、140Lで13分だったので、140L/13分=10.8L/分ということで12L/分より1割遅いですが、メーカの10〜15L/分と下限ではありますが範囲内でした。3万円差でしたが、高圧タイプを選択すれば良かったと少し後悔です。
一番良いのは交換前と後に施工業者さんに水圧を測定して貰うのが確実です。有料になる可能性もあるので事前に無料かどうかの確認をしておいた方がいいです。

・設置前後の証拠写真を残しておく。
全てを残すのは難しいかも知れませんが、何も残さないよりはマシです。写真に加えて動画を残しておくと、写真で撮り損ねた部分が証拠として残せるかも知れません。壁に傷がついているかも知れませんので。

・立会い
長時間の工事であったり、狭い場所での作業になる事が多いと思うので、作業の邪魔になったり、危険があるかも知れないので、その場にずっと立ち会うのは難しいかも知れませんが、できれば私がトラブルにあったアンカーボルトの径とスペーサーはどのようなものを使うかを事前に確認しておくだけでも今回のようなトラブルは防げるかと思います。

設置直前に揉めるのと面倒なので、購入前にそこについての整合もしておいて、契約書に記録として残しておけば後々証拠にもなるかと思います。
設置するサイズや設置階や重量などで異なりますが、こちらのリンク先の資料を見てどの条件に合うかを確認して、条件を満足した部材が使われているか確認してください。

トラブルはあったものの、結果的に倍のアンカーボルトを設置できて強度が上がり、私の知識も増えたので結果的には大成功です。

電気料金への効果

まだ今月の電気料金が出ていないのと、昼間エアコンを使わないようにしたのと、毎月の電気料金では単純比較できないので、エコキュートの効果については何とも言えないのですが、昼間の太陽光を利用したソーラーチャージ機能を利用していることで深夜の電気消費量が待機時電力のみまで低下していて、逆に昼間の電気消費がほぼ0になっているので、太陽光で沸き増しがまかなえているようです。

下記の2日の夜中(青色)と昼間(黄色)の違いを見ていただければ一目瞭然かと思います。全く同じ条件ではないですが、明らかに右の方が一日の平均電力が削減できています。流石に曇りの日は昼間に発電できないので沸き増しすると電気料金が増えてしまいますが。冬の夜中の寒い時に沸き増しするより昼間の日差しがある時に沸き増しする方が電気代を抑えられそうですしね。この調子だと2月分はグッと電気料金を削減できそうです!
 

メーカで紹介されているのをみるとソーラーチャージの仕組みが分かり易いと思います。

今回色々とありましたが、何事にも情報を知っておくことは必要で、無知は罪だと改めて感じました。ネットの時代なので少し調べれば専門的な知識であっても簡単に無料で入手することができます。

知らない人だけが損をします。前回の相見積もりも補助金の件もそうですが、知ってると知らないでは10万円近く差が出る可能性もありました。
私が経験したこの情報を見て、同じトラブルに巻き込まれないようになる人が少しでも減る事を願っています。

エコキュートに興味がある方はその1その3その4その5をご覧ください。

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