【お得】DIYで設置した電動シャッターの不具合修理してみた(その2)

シャッター自動化

以前ご紹介した電動シャッターですが、たまに調子悪くなって途中で止まることがあるので、砂埃の掃除とシリコンスプレー塗布を定期的に実施してます。いつもはこれで調子は良くなるのですが、今回はそれが効きません。

シャッターが固くて、安全装置が作動してモーターが停止するわけではなく、モーター音だけがしばらく続く状態でした。昔、台風でシャッターが飛ばされた際に、自分で車庫を分解し、スラット(シャッターの1枚1枚の板の呼称)を外して修理したのですが、完全に直しきれなかったので、少しスラットが反っている影響なのかと思い、再度シャッターの分解をしてみることにしました。

下記動画はシャッターが動作していますが正常動作ではなく、「カラカラ・・・」という音が鳴ってますが、これはギアが空回りしている時の音です。実際はこの音が鳴ったままシャッターが動かない状態でした。よく見るとギアの真下のシャフト部分に茶色い鉄粉が溜まってます。

※シャッターには強力なバネがついており、素人が安易に触ると大怪我をするので、基本は業者さんに修理依頼して下さい。

シャッター分解にはもう慣れてます

これが結構大変でネジを外そうにもガイドレール(シャッターの両側にあるシャッターを上下する際にガイドになる溝がある柱の呼称)がコンクリートに埋まっているので、コンクリートを掘り起こす作業から開始です。

手持ちの電動ドリルでは歯が立ちません。かと言って工事用の大きなドリルなんてないので、借りてきたノミとハンマーの出番です。ちょっとずつしか削れないのと、ガイドレールを外すにはガイドレールの最下部まで(12cm程)掘り下げて、更にそこから3cm程深く掘る必要があります。深く掘るためには、それなりに周囲も広げて掘る必要があり、掘ったらコンクリート片を取り出さないといけないし、想像以上に少しずつしか削れないです。

実は過去に2回掘ってるので今回で3回目の作業でしたが、今回は延べ日数1〜1.5日程度かかりました。そんなに掛かるの?って思われるかも知れませんが、私の中では早い方です。周りより少し白いコンクリートが初回の掘削で広げた大きさなので、今回の穴はその半分位になってるのが分かるかと思います。今回はまだ楽でしたが最初の時は握力がなくなり、2度程叩き損ねて指を少しだけ叩いたことがありますが、まともにいってたら骨折れてたと思います。
 

コンクリートを削り終えたので、ガイドレールのボルトを数本外して、下げると上部の穴から抜けるので簡単に外せます。外したガイドレール側からスラットを数枚ずつ横にスライドして抜いていきます。(※ガイドレールを外すとスラットが固定されないので風が強い日の作業は危険です。前回外した時は重いシャッターがヒラヒラとカーテンのようになびいてきたので、すぐガイドレールを戻して作業を中断しました。

新品施工時にスラット両端の結合部分がカシメられているので簡単に外せないですが、前回自分で修理した際に、カシメは潰したまま戻していないので簡単に抜けます。(このカシメがされていないとシャッターを上下している間にスラットが左右にずれて、ガイドレールに干渉してしまい、引っかかる原因になってしまうので本当は治したいのですが、恐らく専用工具が必要です。)

反っているスラットを叩いたり、曲げたりして、できるだけまっすぐになるように戻して、再度組み立て直したのですが、シャッターの調子は全然良くならず。巻き上げが不足しているのかと思って、1回転多めに巻き直してみたのですが効果ありませんでした。

メーカに修理依頼したけど、見積もりに驚愕

1ヶ月ほど色々と修理・調整し続けたのですが全く改善されず、これだけやっても駄目なのであればもうDIYの限界かと思い、諦めがつきました。シャッター交換(スラット、ガイドレール、シャフト)をメーカーに注文することにしました。取り外しは自分でもできる(※バネ部分を触るのは非常に危険なので仕組みを把握せずに適当にバラすのは危険ですので一般の方にはおすすめしません。後述しますが約6万円程掛かりますが、専門業者に依頼して下さい。)のですが、設置・調整はちゃんとメーカにやって貰う事にしました。

師走の12月ということもあったのですが、なかなか見積もりに来て貰えず、約3週間後にようやくシャッターのサイズなどを測定して貰えました。年が明けて2週間経っても見積もりがこないので催促したところ、シャッターメーカの人が現場を見て見積もり必要とのことでまた別の日ということで結局最初の依頼から2ヶ月位掛かりました。最初の見積もりは意味なし。。。

散々待たされてようやく出てきた見積もりはコミコミで何と32万円!!!。解体費用の6万円が含まれていたのですが、それを除外したとしても26万円。10万以下でどこまで下げられるか検討しようと思っていたのですが、まさかのシャッター交換だけでこれだけ掛かるとは。。。流石にその値段は出せないので、諦めて電動シャッターを外して手動に戻す事にしました。ちなみに市販品の電動化込みのシャッター合計価格は46万円でした。無理無理。

電動モーター・ギアの取り外し

電動シャッター取り付け時にシャフト(シャッターを吊り下げているパイプ)にサビキラーを塗布していたので、シャフトには一切サビが発生していなかったのですが、その後に取り付けした電動シャッターの部品がサビだらけになってました。雨がしけって中に入らないようにシャッター上部を何かで覆っておくべきでしたが、周りは田畑で風通しが良過ぎる場所なので、簡易的な後付け部品では簡単に壊れて、通行人に当たったりするといけないので、今回も対策は打てていません。何か考えないと。。。

電動モーターの内歯ギアの固定ネジを付属の六角レンチで外そうとしたのですが、ネジが錆びついているのか硬くてびくともしません。六角レンチをモンキーで挟んで回したところ、パッキ〜〜〜〜ンと音がして、六角レンチが根本から折れてしまいました(泣)予備の六角レンチはあったのですが、このままでは2本目も折れるのは間違いないです。

何とかネジが外せないと考えたところ、手動用の六角ドライバービットがあったので、これをインパクトドライバーに取り付ければ上手く行くかもと思って試してみたところ、「ガガガガガ・・・・ウィ〜〜〜ン」とネジが緩んでくれました! インパクトドライバーは単純な電動ドライバーと違って回転方向に繰り返しノックしてくれるので今回のようなサビに対して効果絶大でした。

シャッター自動化後初めてギア外して、モーターを外す前に試しに手動でシャッター上下したところ、ナントほぼ引っかかるような事もなく、片手で上げ下げが簡単にできましたアレレ!?!?
ずっと自己流で直したシャッターが原因でモーターで上下できなくなったのだとばかり思っていたのですが、これだけスムーズであればシャッター側の問題ではなさそうです。

原因はまさか別の部分でした

どこが悪いのかモーター周辺をよく見直したところ、シャフトに対してモーターが傾いていました。モーターが傾いているとギアとの噛み合わせが緩くなるので、それが原因だったようです。

モーターが傾いていた原因ですが、自動化の際にシャフトのサビ止め用としてサビキラーをハケで塗ったですが、錆びないように多めに塗っていたのもあって少し凹凸ができており、それで傾いていたようです。一度モータを外して紙ヤスリでシャフトの凹凸面を滑らかにして再度モーターつけてみるとほぼ水平になりました。

これでいけると思い、ギア部分の固定ネジを増し締めするとまたしてもモーターが傾いてしまいました。薄い金属板を隙間に挟んで補正したら何とか水平近くなったのですが、また固定ネジを閉めると締め付けが強いせいかまた傾いてしまいました。モーターが少しでもガタつくとギアが噛み合わないと思って必要以上に締め付けていたのですが、取説を見ると12kgGmで締めてとの記載がありました。トルクレンチがないのでどの程度で締めたらいいのか分からなかったのですが、今までよりも少し緩めに締めたところ、ほぼ水平になりました。ギア固定ネジの締め過ぎも駄目みたいです。ここは注意した方が良さそうです。

今度こそいけると思って試してみたのですが、また前と同じように途中でモーターが空回りしてシャッターが停止してしまいます。正常動作しているもう一つのシャッターのギア付近と見比べても違いが良く分からなかったのですが、取説を改めて見直してみると、ギアの位置に3mmの記載がありました。もう一度不具合のある方のギア部分を確認してみるとナントほぼ0mm! 端に寄る程ギアの溝が浅いので空回りしていたようです。
 

電動シャッターを設置して数年は動作していたのに何故今頃空回りするようになったのかですが、ギア取り外しの際にギア下部分に大量が鉄粉があったことから、最初はギリギリ動作していたけど、以下の条件が複合的に影響していたと想定されます。

・シャフト錆止めのDIYによる塗装ムラにより段差ができ、モーター設置が傾いていた。
・ギア固定用のネジ締め過ぎも傾きを助長していた。
・シャッターが閉まる際の衝撃で少しずつモーターに負荷が加わり、モーター固定用のネジが緩んでしまい、ギアが噛み合わせが悪くなった。(これが原因とモーターの回転部分の先端がポッキリと折れてしまってます。幸いギア部分が残っているので奇跡的に動作できているようです。)

・少しでもシャッターが固くなると、ギアに負荷が加わりギアの山を乗り越えて空回りして、更にギア山を削って空回りし易くなってしまった。

ギア噛み合わせ修正

根本的な原因がわかったので、ギアの噛み合わせを修正すれば治る可能性が出てきました!
モーター位置を3mmズラすためには、シャフトに追加の穴を開ける必要がありますが、3mmだと今ある穴のすぐ横に開けないといけないので、穴を広げる作業が必要ですが、あの硬いシャフトにそんな細かい追加加工は難しいですし、穴が広がると固定が難しい(ズレないように穴に詰め物すれば可能)ので断念。

ギアが削れて噛み合わせが浅くなってしまったので、モータについているギアごと少し上に上げれば噛み合わせが改善すると思うのですが、丸いシャフト上で水平を取りつつ上に上げるのが難しく、これも断念。

最後の手段は、内刃ギア(シャッター側につけたギア)をモーター側に3mm寄せる作戦です。我が家のシャッターはプーリーと内刃の間にスペーサ(オプション)を入れる必要があって、そのネジを長いネジに交換して、スペーサの間に数枚のワッシャーを噛ませば3mm寄せられると思い、スペーサ部のネジとナットを1セット外して、ホームセンターに部品探しにいきました。

ホームセンターには、色んな種類のネジがたくさんあって、見つけるのに少し時間が掛かりましたが、現在使っているネジとナットを持って行ったので、その場で正しいサイズのネジを探す事ができました。余り長いと回転の際に引っかかるといけないので、55mmのネジ4本とワッシャー20個とバネワッシャー10個を購入しました。もしネジ案が上手くいかなかった場合にまた買い戻るのが面倒だったので、高さ調整用の薄い板も購入しておきました。これだけ購入しても400円程度(工具含まず)。

今までのネジを外して交換しようとしたのですが、内刃ギアをつけたまま複数のワッシャーを入れる作業は難しく、何度もネジ類を落としてしまい、車の下や外に転がっていったのを探したり、トルクレンチを足の上に落として痛い思いをしたりとかなり苦労しました。結局上手くできないので、内刃ギアもスペーサも全部外してやり直しました。最初からこうしておけば良かったです。

全て組み戻したところ0mmだった隙間は、狙い通り3mmに! ヨシ!これでイケると思い、シャッターを上下させてみると。。。上手く行きました!!! ヨッシャ〜〜〜!!! 26万円支払うことなく自動シャッターを復活できました。

ただ、次の日上げる時にまた空回りするようになってました。。。(泣)
本来なら問題ないのでしょうが、ギアが削れてしまっているため、取説通りの3mmではまだ噛み合っていないんでしょうね。念の為、少し多めにワッシャーを購入しておいたので、再度分解してワッシャーを追加することにしました。

再調整

もうバラし方は慣れたので、全部外してワッシャーを追加して、3mmから5mmに修正。一度手動で試してみると、途中で硬すぎて引っかかる感じもなく良さそうな感じでした。

コンセントを挿して、恐る恐るシャッターを上げてみると、どこでも止まらず、ちゃんと上まで上がりました!!!
次に下げようとすると、また「カラカラカラカラ・・・」と空回りの音が。。。(涙)

中央にある調整バネで微調整してみたのですが、どうしても一番上から下げる部分だけは治りませんでした。一番上まで上げない様に途中で停止すれば問題ないのですが、たまに止め損ねて上まで上げてしまうこともあるので、途中で勝手に止まる対策を取ることにしました。まだまだ改造が続きます。。。

苦肉の策、ストッパー追加

上から20cm位のところから急に引き上げるバネが強くなるみたいなので、30cm位のところで止める必要があります。ガイドレールに何かストッパーを固定すればいいのですが、新たに穴を開けてネジを追加してもそこそこの力で毎日負荷が加わるので金属疲労で折れる可能性もあったので、止める方法にも悩まされました。

シャッター左右にゴム足がネジ止めされていたので、その部分を長いネジに交換してみたのですが、受け側の金属部分の面積が狭いのと10cm程度のネジだとブレてしまって、受け側の金属に当たらなかったり、当たったもしても耐えきれず少し曲がってしまう状態で失敗作でした。

色々と悩んで、最後に決めたのが「木」でした。動くシャッター側ではなく、ガイドレール側に木ネジで簡単に固定できそうであることと、希望の長さに簡単にカットできることと、木板が大量に余っていたので壊れても0円で交換可能であるというのが決め手です。

こんな感じで固定したら、ちゃんとストッパーとして役目を果たせて、スムーズに上下できるようになりました。100%回復はできませんでしたが、ここまで復活できれば90%で大満足です。

それでも左右のバランスが悪いようで、同じ長さにカットしたのですが、片方に隙間が1cm程ありました。このまま使い続けて、どんどんズレてしまうと壊れる可能性があったので、板を薄くカットして木の隙間を埋めました。現在の木にネジで固定するだけなので簡単でした。

最終仕上げ

シャッターの改良はうまく行ったので、半年程放置したままだったガイドレール部分をようやくコンクリートで埋めることができます。過去に砕いたコンクリート片や粉が大量に出ていたので、モルタルに混ぜて大きめのカレースプーンで流し込みました。作り過ぎると勿体無いので、様子を見ながら少しずつ追加していったのですが感覚が掴めず、6回も作り直しました。ちょっと慎重にやり過ぎでした。
  

前と材料は同じですが、コンクリートの粉を流用したせいか、前回から更に色が異なってしまいました。まぁ固定できていれば問題ないのでヨシとします。それでコンクリートを直している時に気になったのが、金属部分のサビ。以前2回ほどペンキを塗ったのですが、剥がれてサビが発生していたので、ここにもサビクリーンを塗ってみることにしました。

5年前に使ったサビクリーンの缶の蓋を開けようとするのですが、固まっているのか蓋がびくともしません。マイナスドライバーで1周させたのですが曲がるだけで全く空く様子はなく、もう諦めて思いっきりドライバーを突っ込んで蓋を開けました。蓋の周囲はペンキが固まっていましたが、幸い中身は固まっていなかったので使えそうです。 確か以前100均で蓋つきの丸缶があったので、それを探しにいったのですが、2件回っても見つからず。。。諦めてホームセンターに行ったのですが、ちょうど良い小さいサイズが300円ほどだったのですが売り切れで、一回り大きい500円のを購入しました。

サビクリーンは新しい缶に入れ替えて、前の缶に水(溶剤ではなくて水で薄められるのは便利です。乾いてしまえば問題ありません)を入れて金属部分に塗布しました。ちょっと綺麗に仕上げたいので、マスキングテープを貼って塗りました。前回シャフトに塗布した時もそうでしたが、水で薄め過ぎるのか1度塗りだと綺麗に濡れないので2、3回上塗りが必要です。ある程度乾いてから塗るといい感じになります。途中風が強くなってきて、ホコリが乗り上げてしまって、汚くなってしまいましたが、何とか誤魔化しました。なかなかいい感じです。
(1度塗りだとムラが) (3回塗り)

あと気になったのはスラットの左右の隙間。冒頭でスラットのカシメをしてないという話をしましたが、そのせいで何度か開閉していると少しずつズレてしまうようで、片側のガイドレールに擦りそうなところまでズレてしまっていました。手で直そうとしてもビクともしないので、釘抜き(もしくはバールのような物)を使ってテコの原理を使って少しずつスライドさせます。

板の部分は曲がってしまうだけでスライドできないので、繋ぎ目部分に釘抜きを入れて、スラットが曲がらないか確認しながら少しずつ力を入れてみてスライドさせます。場所によっては当て木をします。この際に注意しないといけないのは、誤って家族がシャッターをスマホで操作してしまった場合、巻き込まれる可能性があるので、モーターの電源をOFFしておいた方が良いです。この作業に関わらず、掃除などでもシャッターを手で触る時は注意しておいた方が良いです。
 

システムデザインさんではスラットの左右のズレを補正してくれるスタビライザーという商品も販売されてるので、それで試してみるのもありかと思います。

コンクリートをノミで削ったり、モーターやギアを何度も取り付け直したり、設置時より苦労しましたが、結果的に400円の出費だけで、26万円の交換費用を出さずに修理できたので大大大満足です。
修理から1ヶ月経過しましたが、一度も途中で停止することなく、機嫌良く毎日働いてくれてるので修理成功です。一度は諦めた電動シャッター修理ですが、直って本当に良かったです。

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